うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

「いいって言ってよ、相楽さん」

 いや、なにを?

「僕、さっき、香月に誓っちゃったから。
 君がいいって言わない限り、手を出さないって」

 ……妙なところで真面目だな、この人、と思った。

「いや、それを言うなら、キスするのはいいわけ?」

「キスしないとまでは言ってないよ。
 それくらいは許してよ。

 薬だって、ちゃんと時間空けて飲ませてあげたのに」

 いや、それ、感謝するところですか?

 神様、この人、おかしいです、と思ったとき、スマホが鳴った。

 朝日のだ。

 朝日が舌打ちをする。

 おいおい、急患に舌打ちとかしちゃいけないんじゃないの、と思ったが、どうやら、違う電話だったようだ。

『もしもし、朝日か』
とよく通る声が聞こえてくる。

「香月~っ」

『電話しないとは言ってない』

 ……似てるな、この二人、と思った。