うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

「まあ、僕、基本、君みたいな人には手は出さないんだけどね。

 好きにしてくださいって言う子は好きにしていい。
 好きですって言ってくる子も好きにしていいって思ってるんだけど」

 いや……そのどれも良くはない気が……。

 相楽さん、と朝日は腕をつかんだまま言う。

「君が目を覚ますまで待ってたんだよ。
 知らない間にっていうのは可哀想かなって思って」

 いやいやいや。
 知らない間も知ってる間も嫌だとも。

 スマホでも鳴らないだろうか、と視線を巡らす。

「無理」
と朝日は言った。

「君のスマホ、切ってるから。
 僕のは残念ながら切ってないけど。

 急患出たら困るから」

 へえ、と思った。

 やっぱり、お医者様だな、と。

「此処で今、自分が助かりたいがために、急患出ないかなとか思ったら、君の方が鬼だよね」

「なんでそう、さりげなく、こっちが加害者みたいな感じにするの……?」

「加害者だからだよ。
 ……君がじゃないけどね」
と言った朝日が瑞希の腰の横に手をつき、キスしてくる。