うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

「う、重いなー」

「酔ってたり寝てたりすると、軽い女性でも重たいよ。
 諦めて、了弥を呼べ」
と香月は溜息をつく。

「やだね。
 今日は絶対、僕が相楽さんを持って帰る」

 なにか言いかける香月に、
「心配しないで。

 相楽さんにはなにもしないよ。
 彼女が同意しない限り。

 痛い目見せたいのは、了弥だけだから」
と言うと、いや、それもどうなんだ、という目で、香月は見ていた。

「お前、それ、逆恨み……」

「うるさいな。
 釣りはいらないよ」
と代金より一万多く置いていこうとするが、

「この程度の金で犯罪の片棒を担ぐのなんて嫌だね」
とポケットに金をねじ込んでくる。

「うちのおばあちゃんもお前のファンなんだよ。
 あんまりおかしなことしてくれるなよ」

「おかしなことなんかしないったら」
と言うと、

「そうかな?
 お前、結構、その子気に入ってない?」
と言ってくるので、

「だったら、尚更しないよ」
と言うと、なんで? と問われる。