うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

「大丈夫だよ、相楽さん。
 僕が君の家に泊まったのも、鍵を拾ったのも本当だよ」

 いやいや、大丈夫じゃないし。

 いやいやいや。
 拾ったって、それ、うちの床に落ちていたか、私のバッグの中に落ちていたって言う話じゃ……。

 落ちてないし、それっ!
と思ったとき、朝日が言った。

「相楽さんちの本棚には、枯れたエアープランツがあるよね」

 エアープランツ、どうやって枯らしたの? と訊かれる。

「うう。
 あれ、おにいちゃんのなんだけど。

 エアープランツだから大丈夫だと思って、放っておいたら、枯れちゃったの」

「いや、ある程度は水やらないとそりゃ枯れるよ。
 植物なんだから」
と朝日は言うが。

 いや、この場合、問題はそこではない。

 何故、彼が、誰にも話していないうえに、よく見なければわからない枯れたエアープランツの存在を知っているのかということだ。

「だから、あの晩、泊まってったの、僕なんだってば」

「またまた」

「なんで、またまたなの?」

「佐藤くん、モテるじゃない。
 別にうちになんか泊まらなくても」