うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

 


 ところで、バレてるよね? と朝日は訊いてきた。

 いや、さすがに気づいた。

 思ったより時間も経ってなかったし。

「佐藤くん、私になんにもしてないよね?」

 口ではひどいことを言っていたが、目を覚ましたあと、キスするのでさえ、迷っていた。

 朝日は溜息をつき、
「まあ、バレるかなーとは思ったんだけど。
 途中まで脱がせたあと、迷ってる間に、君、目を覚ましちゃったから」
と言ってくる。

「珈琲飲んだからだよ。
 私、珈琲飲むと、しばらく眠れないの」

「そりゃ、失敗だったね。
 匂いが強い飲み物の方がバレなくていいんだけどね」

 次は失敗しないようにするよ」
と言うので、いや、次はなくていい、と思っていた。

「佐藤くん、いつもそんなことやってるの?」

「やるわけないじゃん。
 僕、そんなに女の子に不自由してないし」

 まあ、そりゃそうか……。

「でも、向こうから言ってくる子には、ひどいこと出来ても、君みたいな人にはちょっとね」
と朝日は言う。

 いや、それもどうなんだ、と思う発言だった。