「瑞希?」
了弥は真っ暗な家に灯りをつける。
何処行ったんだ、あの莫迦女、と思いながら。
早くに帰ったはずなのに。
まあ、またなにやら怪しい動きを見せていたからな。
それにしても、なんで、俺にはなにも言わないんだ、と思いながら、荷物だけ、瑞希のお気に入りのソファに投げ、彼女のスマホに電話したが、出なかった。
いや、出ない、というより電源が落ちているようだった。
電池切れか?
それか、山とか地下に居るとか?
いや、今どき、スマホが通じない地下なんてあるか?
なにかこう……
そこはかとなく、嫌な予感が、と思いながら、神田にかける。
だが、神田も出なかった。
まさか、一緒なんじゃないだろうな、と思い、神田の職場にかけてみようかと一瞬思ったが、それもどうかと思い、思いとどまる。
どうしたもんかな、と思いながら、ソファに腰を下ろした。
カーテンが開いたままの大きな窓から木々が風に揺れるのをぼんやり眺める。



