うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

「佐藤くん、お子様メニューが好きなんだね」
と言うと、赤くなって、

「悪い?」
と睨んでくる。

「いや、別に悪くないよ。
 私もお子様メニュー好き。

 私は目玉焼きの載ったハンバーグにする」

「じゃあ、僕はポテトサラダのにしよう」
とメニューを閉じる。

 迷ってたパスタは恐らく、ナポリタンなんだろうな、と思いながら水を飲んだ。

 なんの薬を飲まされたんだか。

 ちょっと口が渇く、と思ったからだ。

 ロクな医者じゃないな、本当に……。

 ドリンクバーも注文したあと、朝日はこちらを見て物言いたげな顔をする。

「……相楽さんさあ」

 朝日は、その先の言葉を迷って、結局、口にしなかった。

「先に取りに行ってきなよ」
と言われ、うん、とドリンクバーに立つ。

 ちょっと迷って、カプチーノを取ってくると、
「珈琲は食後の方が身体にいいよ」
と言ってくる。

 さっき飲ませたくせに、と思いながら、おかげで助かったけど、とも思っていた。