うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

 あの同窓会の日の、私の記憶にない部分。

 クラスでいつもみんなを笑わせてくれていた戸田くんが宴会で披露した話を面白可笑しく再現してくれて。

『ちょっと着替えてくるから、これ飲んで待ってて』
 って言われて、淹れたての珈琲を渡されて。

 最近は了弥の美味しい珈琲を飲み慣れてるから、何処で飲んでもイマイチなんだけど、これはいい香りだなって思って。

 ……記憶がない。
 そこから先の。

「ごめんねー」
と全然、悪くもなさそうに朝日が言う。

「そんなに大量に入れたつもりはなかったんだけど。
 相楽さん、普段、薬飲まない人?」

 効きすぎだよ、とよくわからない文句を言ってくる。

「途中で目を覚ます計算だったのにな。
 最後まで寝てるんだもん」

 ……最後までって?

 なにかあまり……いろんなことを確かめたくないような。

「相楽さん、お腹空いた?
 なにか食べに行く?」

 出血大サービスだよ、と朝日は言った。