うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

 



 なにか悪夢を見たな、と思いながら、目を覚ますと、側に立つ誰かが自分の顔を見ていた。

「おはよう。
 って、夜だけど」
と言ってくる。

 誰だ?
 この芸能人みたいなの、と一瞬、思ったあとで、はっとした。

 そうだ。
 佐藤くんっ、と飛び起きる。

「え……」

 此処、何処?

 見覚えのない寝室だった。

 片付いているようなそうでもないような。

 そう感じるのは、デスクの上や棚に雑多なものが飾られているからだ。

 ちょっと待って……。

 此処、何処?

 なんで、私、こんなところに?

 確か、真相を確かめようと思って、佐藤医院に行って、佐藤くんと話しながら、近くの彼のマンションまで、一緒に歩いていって。

 車の鍵忘れたから一緒に上まで上がってって言われて。