うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

「どうしよう。
 なにか食べに行く?」

 外食してくるとは了弥に言ってないな、と思っていると、朝日は白衣のポケットからそれをチラと出して見せた。

「そのあと、これ返してあげるから」

 あっ、と思った。

 その予備と書かれたプレートは確かに見覚えのあるものだった。

 再び、くらっと来たが、なんとか踏ん張る。

「そ、それがご飯今日は帰って食べないとっ!」

 一人暮らしじゃなかったっけ? と突っ込まれるかと思ったが、朝日はそうは言わずに、

「そう。
 じゃあ、ちょっとついてきてよ、うちまで。

 近くの自宅に車置いてるんだ。

 帰り急ぐんだったら、送っていきがてら、話しようか」
とありがたい申し出をしてくれた。

 確かに、それなら、予定より早く戻れるかも、とこのときは思った。