定時になると、即行帰り支度をした。 「お先に失礼します」 と了弥たちに挨拶に行くと、了弥は不審げにこちらを見ていたが、職場なので、なにも訊いてはこなかった。 家に帰ってから訊けばいいとでも思っていたのかもしれない。 だが、このとき、了弥に一言言っておくべきだったと後から思った。 ただ、自分のやましさからなにも手を打っておくことができなかった。