うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜





 白を基調にした部屋って、白い部分が強すぎると、ちょっと落ち着かない感じがすると思っていたのだが、このリビングは不思議に落ち着く。

 わざわざ見せてある大きな梁のせいかもしれないし、トリプルガラスの大きな掃き出し窓から見える庭の木々のせいかもしれないが。

 白いソファはテレビではなく、その窓の方を向いていた。

「素敵なおうちね。
 いろいろ考えて建てられたんでしょうに、なんでご両親は出てっちゃったの?」

「いろいろ考えたのは設計士だ。
 うちの親は細かくもなく、こだわりもない人間だから、丸投げだった」

 ……そのざっくりした性格は遺伝か、と思った。

「年を取ると、戸締りする箇所が多いのがめんどくさいんだとさ。
 窓が多くて大きいのも怖いらしいぞ。

 俺は大学行ってるときは、此処に居なかったし。
 そんなに連絡も取らなかったんだが。

 そしたら、いつの間にかマンション買ってて。

 そっちの方が駅前で便利がいいから、入り浸ってるうちに、引っ越したようだぞ」

 親子関係もざっくりだな、と思いながら、
「もったいない」
ともらす。