うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

 そんなくだらない話をしている間に、了弥が珈琲を淹れてくれ、二人で、神田の焼いてくれたDVDの続きを見た。

 瑞季はソファの後ろに背を預け、その前で、了弥は寝転がってテレビを見ている。

 了弥の後ろ頭を見ながら、瑞季は、エレナのメールの文章を思い出していた。

『今日、真島課長にキスしてみた』

 その文字を思い返しただけで、なんだか胃の辺りが気持ち悪くなってくる。

 クッションを抱いて、その場に転がった。

 なんかすごい嫌かも。

 あんなモテモテのエレナにキスされて、なんにも感じないとかないだろうしなー。

 それにしても、了弥、エレナにキスされたとか、全然言わないけど。

 まあ、普通言わないか。

 いや、もしかして、そんなの良くあることだからとか?

 了弥、モテるしな。

 ……私が気分悪くなれる立場でもないし。

 ああ、なんか思考がグルグルしてきた。

 そのとき、了弥が振り返る気配がした。

「瑞季……?
 寝てんのか?」

 クッションを抱いたまま、寝転がっていると、了弥が側に手をついた。