うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

 


 二人で食器を片付けていると、了弥が、
「珈琲でも飲みながら、続き見るか?」
と言ってきた。

 うん、と言いながら、瑞季は、了弥が渡してくれた食器を食洗機に詰める。

「お兄ちゃんのマンションはさ、食洗機あるんだけど。
 最初にちょっと住んでたアパートは、なかったんだよね。

 それで、食洗機が欲しいなと思って」

「待て」
と了弥が言葉を止めた。

「一人分だろ、食器」

「そうなんだけど」
と言うと、どんだけめんどくさがりなんだ、と言われる。

「電気屋さんに言って訊いたら、いや、一人用とかないですねって言われて」

「溜め込んだらいいんじゃないか?」

 そうなのよ、と頷く。

「でも、それもどうかと思うから、食器増やしたいなーって妄想してて。

 そのうち、喫茶店とか、レストランを始めたら、食器が増えるなって思って」

「食器増やしてどうする……」

 まあ、本末転倒もいいところだ。