うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜






「美味いな、このコロッケ」
 コーンの入り具合が絶妙だ、と了弥が言う。

 二人でいつものように食卓を囲んでいたが、
「うん、美味しいね」
という瑞季は気もそぞろだった。

 どうした? という目で了弥が見る。

 ……まずいな。
 エレナとキスしたの? とか訊きたくもないしな、と思った瑞季は話題を変えた。

「未里は意外な料理上手なんだよ。
 ほんと、いい奥さんになったなーって思う」

 ご主人も穏やかないい人で、騒がしい未里とはいいコンビだ、と言うと、了弥は笑う。

「そうか。
 子どもも居るんだよな。

 夫婦が仲いいっていいことだよな」

「どうしたの? しみじみ言っちゃって」
と言うと、いや、とご立派な庭を見ながら、了弥がしんみり言う。

「うちの両親がなかなか大変だったから。
 何度も離婚してみたり、結婚してみたり」

「え、誰と?」