神田が帰ったあと、了弥はコンビニに居た。
雑誌コーナーに居ると、やがて、瑞季が目の前を通る。
手には、あのマンションに入る前には持っていなかった小さな紙袋があった。
なにもらってきたんだろうな? と思う。
瑞季は、近くに友だちの家のマンションがあると言っていた。
神田に送られ、困って、咄嗟にそこに入ったのだろう。
ま、そんなことしなくとも、神田には最初から、バレバレなんだけどな。
そんなことを考えながら、こっちには、まるで気づかず行ってしまう瑞季をガラス越しに眺める。
なんだろう。
もう鼻歌歌ってんな。
そんな瑞季に思わず笑う。
偶然を装い、追いかけようかと思ったが、駅から自宅に帰る途中のコンビニは此処ではない。
疑われないよう、時間を空けて戻ることにした。
『まるで、ストーカーだね』
という蔑むような神田の言葉と表情を思い出す。
ストーカーじゃなくて、ボディカードと言えよ、と思った。



