「ごめん、急に」
と瑞季は揚げ物をしている未里に手を合わせた。
「いやー、いいよいいよ。
あんたの貞操も無事でなにより」
と旦那も居るのに、言ってくる。
人の良いご主人は、ただ、ははは、と笑っていた。
了弥の家は一軒家なので、表札も出ているし、どんな人が住んでいるのか丸わかりだ。
いろいろ追求されそうなので、同じ駅から歩いていける未里のマンションにお邪魔したのだ。
「すぐ帰るから」
と言うと、未里は、
「あら、食べていけばいいのに」
と言ってくる。
「ご飯、すぐできるから、子どもたちと遊んでてよ」
間違い電話をよくかけてくる子どもたちはテレビの前で、それぞれがおままごとと警察ごっこをしていた。
なにか統一性がないのだが、時折、話が噛み合っているようだ。
それを面白おかしく見ながらも、
「いや、了弥がもう帰るから帰る」
と言うと、
「そっかー、まあ、そうだね。
じゃあ、コロッケ少しあげるから、持って帰って二人で食べな」
と言ってくれる。



