うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

 お前な〜っ、と睨んだが、
「いや……でも、ほんと、大丈夫だよ。
 思ったより本気みたいでさ。

 相楽さんに泣かれたら、お前が来なくても、なにも出来ないよ」
と言ってくる。

「じゃ」
と行こうとして、ああ、そうそう、と神田は振り返った。

「夏に高校の同窓会があるみたいなんだけど、来る?」

「行かない」
と言うと、言うと思った、と笑う。

「……鬼だよね、お前の方が」

 鬼畜だよ、と丁寧な口調で嫌味を言い、今度こそ、神田は帰っていった。

 その後ろ姿を見送りながら、瑞季があの莫迦に呼び出されないよう、見張っとかないとな、と思っていた。