うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

 そうですね。
 でも、あの、私の意志でしたわけでもないのですが、と思っていると、了弥は立ち上がる。

「俺、もう寝るわ。
 軽く食べてきてるし」

「は? え?」

 じゃあ、一人が見ちゃ悪いかな、と思い、リモコンに手を伸ばすと、そのリモコンを取ろうと、這うようにして、床についた手に手を重ねてきた了弥が、ふいにキスしてくる。

「おやすみ」

 そのまま、自分の部屋に行ってしまった。

 扉が閉まる音がしても、瑞季はまだ、床に手をついたまま、止まっていた。

 ……今のは。

 今のはなんですか?

 何故だか、神田にキスされたときよりも、衝撃が大きく、そのまま、しばらくじっとしていた。