うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

 


 ば、番組に集中できないのですが。

 了弥はもう、さっきのことなど忘れたように、くつろいでDVDを見ている。

 クッションに肘をついて、寝転がる了弥の後ろで、瑞季はソファを背に、クッションを抱いて、座っていた。

 よく考えたら、別に、了弥と付き合っているわけでもないので、神田とキスしようと関係ないと思うのだが。

 なんでだろう。

 すごく悪いことをしてしまったような気がしている。

「これ、何話まであるんだ?」

 突然、了弥がそう訊いてきた。

「は?
 五十話くらいですかね?」

「寝られないじゃないじゃないか。
 って、何故、敬語だ」
と了弥は眉をひそめる。

 いや、なんとなく……、と思っていると、
「俺に悪いと思ってんのか?」
と訊いてきた。

「え? なにを?」

 どきりとしながらもそう訊くと、溜息をついて、なんでもない、と言う。

「あのー、やっぱり神田くんじゃなかったみたいなんだけど」

 一応、今日の成果を告げようとそう言うと、
「じゃあ、キスしなくて良くないか?」
と画面を見たまま言ってくる。