うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

「いや、別に順調じゃないし。
 神田くんとはそんなんじゃないし。

 あの夜のことがはっきりしないと、なんだか何処にも進めなくて」
と言うと、

『なんで、そうなの、あんたは。
 みんなそんな真面目に考えて生きてないよーっ?』
と言ったあとで、

『あ、でもさ。
 そんなあんたが、身を任せたくらいだから、その夜の人のこと、好きなのかもね』
と言ってくる。

 身を任せたって、演歌か、と思いながら、どうだろうなあ、と思い出そうとするが、その未里や神田の言う余計な道徳心や貞操観念が邪魔をして、余計な思い出せなくなる。

 天ぷら美味しかった、という話から、カウンターでキスされた話をすると、何故か、未里の方が盛り上がる。

『いやーっ。
 人前でとかっ。

 されてみたいーっ』

 いやいやいや、落ち着いて。

「ご主人にしてもらえばいいじゃん、人前で」
と言うと、

『それはなんか違うのよ。
 不意打ちって言うのがいいのよ~っ』
と言ってくるので、

「じゃあ、私がご主人に言っといてあげるよ。
 未里に外で、不意打ちでキスしてやってくださいって」
と言うと、

『やだーっ。
 照れるーっ』
と言う。

 ……どうしたいんだ。