うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

 


 家に帰ると、まだ、了弥は居なかった。

 ソファに寝転がり、未里にメールする。

 帰ったら教えろと言われていたからだ。

 すぐに折り返しかかってきた。

『どうだった?
 どうだった?

 確かめられたっ?』

 どういう意味でだ。

 貴女のおっしゃる方法でじゃないですよ、未里さん、と思いながら、
「神田くんじゃないと思う」
と溜息をついて言った。

『そうなんだー。
 残念だね。

 神田くん、いいのにね。
 爽やかなイケメンで、公務員。

 安定してるし』

 腹黒っぽいけどね。

 でも、悪い人、というわけでもないかなあ、とこの間からの言動を思い出しながら思っていた。

『神田くんじゃないにしても、ちょっと押してみたら?』
と神田が結構気に入っているらしい未里は勧めてくる。

「あー、うん。
 また会うことにはなったけど」
と言うと、

『やだーっ。
 順調じゃんっ。

 こうなると、その夜の男がかえって邪魔ね』
と言ってくる。