うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

「まあ、鍵持ってるのは、僕じゃないよ。
 持ってても言わないけどね。

 返せって言われるから。

 それから、その夜の男、僕の可能性も消えてないよね。

 もてあそばれたと思って逃げたけど、こうして、相楽さんが探してくれたから、あ、そんなことないんだ、と思って、名乗り出てみたとか」

「もう~、神田くんの言うこと、なにが本当だかわかんない。

 っていうか、なんで、その朝帰りの人になりたがるの?

 そうだったら、なんかいいことある?」

「あるじゃない。
 それを切っ掛けに相楽さんと付き合えるでしょ」

「いや、……それで付き合わないし」

「でも、ほら、相楽さんって、真面目な人だから、酔った勢いとはいえ、いいと思った相手じゃないと、家に上げないし、そんなことしないと思うんだよね」

 うっ。
 まあ、それはそうかも……。

「だからさ、酔った弾みとはいえ、そのとき、僕のこといいと思ったのなら。
 今、忘れてるにしても、また、付き合ってみたら、そう思う可能性はあるんじゃない?」