うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

「いや、ほら、世の中、ムカつく奴、多いじゃない」

 って、貴方、そんな素敵な笑顔で言いますか。

「子どもを徹底的に教育し、ムカつなかない人間に育てたいんだ」

「へ……へえー……」
としか言えないんですが。

 でも、まあ、言葉は悪いが、要は、子ども達を素直ないい子にしたいってことかな、と解釈した。

「ところでさ、なんで、そのお持ち帰りの相手を僕だと思ったの?」

 今、此処で訊きますか、とつい、赤くなってしまうが。

 大将は慣れたもので聞かないふりをしてくれている。

 まあ、忙しいから、ほんとに聞いていないのかもしれないが。

「いや……未里が、あんた、神田くんと盛り上がってしゃべってたよって言ってたから、ちょっと訊いてみようかと思って」

 あー、梶原さん、と思い出すのに少し時間がかかったようだった。

「そうそう。
 梶原さんはご主人が来て、途中で帰っちゃったよね。

 もう二人も子どもが居るんだっけ?
 早いよね」