うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

 




 結局、待ち合わせは駅にしてもらった。

 了弥が乗せて行ってくれると言ったのだが、それでは早くなり過ぎるので、昼前までダラダラして、それから出かけた。

 駅のロータリーのところに少し早めに行くと、ちょうど来た神田がすぐに乗せてくれた。

 神田のイメージに合ったシックな車だ。

 昔からある車だけど、これ、結構高いよね。

 教師の給料ってそんなに良くはないと思うけど。

 まあ、神田くんち、お金持ちだからな。

 そんなことをぼんやり考える。

「ちゃんと焼いてきたよ、DVD」
と笑顔で神田は言ってくる。

 今日の神田くんは爽やかな神田くんだな、と思いながら、ありがとう、と言う。

「今日、行くお店、イカが美味しいって、り……
 友だちが言ってた」
と言うと、

「そうか。
 あの店知ってるとは、通だね」

 ちょっとわかりにくいところにあるんだよ、と言う。