堀田くんの出血量563.72cc。
中村さん593.14cc。
二人は20分の時点とあまり変わりはなかったが、明らかに疲れているようだった。
「「「30分が経過し、採血による出血量を越えました。
ここからは身体への様々な症状が表れることが予想されますので、もし何か異常を感じたら報告してください」」」
僕らは僕らで疲労が溜まってきている。
もちろん、三人に比べたら僕らの苦痛なんて辛くはないのだろうけれど。
「さすがにこれだけ密閉空間に閉じ込められてるとイライラするな」
「うん…………」
僕は室内を見渡した。
原田さんはずっと壁際で足を抱えて座っている。
友澤くんや小澤さんはしっかりとモニターを見つめている。
何か考えがあるのだろうか?この異様な状況を脱け出す策か何かが。
「…………帰りたいよぉ、お母さん」
「くそっ、なんで僕たちがこんな」
文句が出る人はまだましな状態なのかもしれない。
ほとんどの人はただ震えているだけだ。
こういう状態になると、男子は泣いて、女子は何かに祈るのだと知った。
勿論そんなこと知る必要なんてなかったし、知りたくもなったのだけれど。



