ケンショウ学級


窓越しの空は青く澄んでいて、太陽がさんさんと輝いている。これから夏になるんだと思うとなんとなく暑く感じて、ワイシャツの襟をつかんで空気を身体に送り込んだ。

西の空に見えた大きな雲の移動がなんとなく早く感じる。他愛もない会話をしながら、僕たち3人が職員室の前を通りすぎようとした時だった。

「上杉くん!」

職員室の扉が開いて僕を呼ぶ声がした。振り返ると僕らの担任で社会担当の大上先生が僕を呼び止めていた。その手には僕が待ち望んでいたものがしっかりと見て取れた。

「あ!ごめん春馬、小池っち先に行ってて」

目をキラキラと輝かせる僕を見て二人はちょっと呆れた様に笑った。

「はいはい、あんまり話し込んでホームルーム遅れるなよ」

「また教室でねー」

そう言って歩いていく2人を見送り、僕は大上先生に尋ねる。もう、興奮で胸がワクワクするのを抑えられないでいる。

「先生それって」