ケンショウ学級


「「「10分が経過しました。これにより出血量の告知と問診をします」」」

改めて僕らも確認する。

手術台に乗せられた三人は手足を革製のベルトで拘束され、目隠しがされている。

白仮面は出血量の告知と言っているけれど、実際には三人に傷はなく出血もない。

「眞木さん、10分出血量は176.75ccです。

何か身体に異常はありますか?」

「足がヒリヒリする。もう、止めて」

「出血部位の痺れを確認。実験を継続します」

176ccの出血は手術台の側面に用意された水管から滴り落ちる水滴が、被験者の眞木さんの足の甲に当たり落ちたものだ。

無傷の眞木さんが痺れを訴える理由はなんなのだろうか?

錯覚?

「堀田くん、10分出血量は181.76ccです。

何か身体に異常はありますか?」

眞木さんの時と同じ質問だった。

勿論、堀田くんも出血などしていない。

「痛いです。早く手当てをしてください。お願いします、お願いします!」

堀田くんは泣きながら痛みを訴える。

「堀田のやつビビりやがって、ださくねぇ?ケガもしてねぇのによ」

佐野くんの心ない言葉も全てを否定することはできない。

「恐怖で錯覚しているのかもしれない」

春馬の意見に僕も賛成だな。

視界を奪われて、身動きがとれない状態で得たいの知れない実験なんてされたら恐怖で動転しておかしくない。

その点、中村さんは落ち着いていた。

「中村さん、10分出血量は193.07ccです。

何か身体に異常はありますか?」

「…………特にありません」

「……………………」