「では、赤坂さん」
「はい!!」
昨日の警告が如実に効果を表していた。
こんな意味の分からない空間で、皆ははきはきとした返事を強いられる。
「雨宮さん」
「はい!」
「井上くん」
「はい!」
「入江さん」
「はい!」
「上杉くん」
「…………はい!」
返事なんてしている余裕はない。
だけど、返事をしなければ殺されてしまう。
そんな極限状態の心理では、この違和感だらけの空間で出席の点呼に対して返事をする、という違和感だらけの答えを導きだす他ないんだ。
「小野さん」
「え?」
読み間違いだろ?
「小野さん。
おや?欠席ですかね?小野さん」
「あ?」
数人が気づいて、佐野くんが思わずそう口にしていた。
アイツは腐ってる。
小野さんの出欠など分かっているくせに、僕らに確認をしているんだ。
「あれ?小野さんは欠席の様ですね。
だれか小野さんがお休みの理由をしっていますか?」
声だけで今アイツがどんな顔をしていて、どんな気持ちなのかが容易に想像できてしまう。
アイツは楽しんでいるんだ。
クラスメイトの死をわざとらしく思い出させて、なまじ僕らにクラスメイトの死を言葉にさせようとまでしている。
腐ってる。
「あれ?皆知らないのかな?
じゃあ、誰かに聞いてみようかなー。」



