ケンショウ学級


「…………藍斗。藍斗」

あ、春馬の声。

そうか、やっぱり目覚めてしまったか。

「春馬、おはよ」

「この緊迫した状況でおはよってお前。ぷはっ」

思わず口に出た言葉に春馬が吹き出して笑った。

でも、春馬はすぐに真剣な表情になる。

「また変な部屋に連れてこられたみたいなんだけど、ちょっと可笑しいんだ」

僕はゆっくりと部屋を見渡した。

モニターが取り付けられた壁。

窓や出入り口はなく、わざと圧迫感を与えるような低いコンクリートの天井。

「…………紗由理!紗由理!!」

ん?あれは寺井くん。

眞木さんがどうしたって…………

「…………え?」

居ない!?

待てよ。違う。

眞木さんだけじゃない。

「気づいたか?三人姿が見えないんだ」

「いったいどうなって?」

「分かんない。でも、またくだらない実験が始まるんだろう」

こんなに怒りを露にする春馬を見るのは久しぶりだな。

小学校の頃に僕がいじめにあって、そのいじめっ子達を凝らしめてくれた時以来かもしれない。

その時から春馬は僕の憧れでヒーローになった。

もちろんそんなことは恥ずかしいから伝えてないし、本人もそんなこと思われているなんて思ってもみないだろうけれど。

「居ないのは…………眞木さんと、

堀田くん、中村さんだね」

「ああ…………」

この部屋の隅っこで原田さんが体操座りで顔を隠していた。

「原田さん…………」

小野さんが殺されてから原田さんは誰とも口をきかなくなっていた。

当たり前だよな。

目の前で親友が理不尽に命を奪われてしまったのだから。

親友が電気を流し込まれて絶命するまでの、その一部始終を目の当たりにしてしまったのだから。

「やぁ、皆おはよう」

設置されたモニターが光を放ち、アイツが僕らの目の前に現れた。