ケンショウ学級


食事を終えると「消灯」の時間となり、トイレのある教室の後ろの扉上の灯りを残して部屋の灯りが消えた。

「うっ、うっっ。帰りたい」

「なんなんだよこれ、まじ意味分かんねぇ」

暗い封鎖された部屋でクラスメイトの心がポツリポツリと消えていった。

この先待ち受ける不安。

もしかしたら友だちが死ぬかもしれない、自分が死ぬかもしれない、そんな非現実的な不安が押し寄せてくる。

そう、こんな非現実的な不安が現実に目の前に突きつけられているんだ。

「…………そういえば」

僕はふとあることを思い出した。

そして、それがあるはずの机の中を探った。

「あれ?入れてた教科書がない。

ん?」

置き勉していた教科書の一切がなくなっていた。

でも、たった一冊だけ残されていた。

今は暗くて確認できないけど手にしただけでもそれが何の本であるかが分かった。

使い古された厚手の本。

それは大上先生に借りた…………

「あれ?力が…………」

いつの間にか室内に満たされた睡眠ガス。

指先から力が抜けて、瞼が落ちてくる。

目が覚めたらまた、あのケンショウの中に放り出されるのかと思うと目が覚めなければ良いのにと思ってしまう。

あぁ、なんで僕らがこんなことに…………














ガサゴソ。

「……………………おかしいな。どこにアレが?」

催眠ガスによって皆が眠っている中でたった一人、何かを探している人物がいた。

しかし、それに気づく者はいなかった。