「あ、原田さんだ」
小池っちはクラスの原田さんにゾッコン。
かく言う僕も気になっている女の子だ。
「いつみても可愛いなぁ。なぁ?」
「あー、そうだね」
原田 悠里(はらだ ゆうり)さんは学校でも目立つ存在で、クラスメイトだけでなく他クラスや先輩からも注目されている。
スラッとモデルみたいな体型で、100人に聞いたら間違いなく99人は可愛いと答える容姿。
「あ、春馬くん達だ。おはよー。
いつも仲いいね」
そして、こんな風に誰にでも分け隔てなく接することができるわけで、小池っちみたいに好意を抱く人が多いのも頷ける。
「原田さんおはよー」
「お、おは、おはにょ」
おはにょ?噛むそれ!?
そんな小池っちの失態も笑顔で流す。しかしいつもながら可愛いな。そんなことを考えていると無意識に顔がほころんでいた。
「悠里なにしてるの?行くよー」
「あ、真緒ちゃん待ってー!
じゃあ、先に行くね」
原田さんはひらひらと手を振って、階段を昇る手前で声を掛けてきた友達の下へと駆けていく。
原田さんが足を動かす度にスカートがひらひらと揺れて思わず目を奪われた。
「さぁ、俺らもいこーぜ」



