そう言って友澤くんが手をあげた。
「友澤くん、なんでしょう?」
「トイレはどうしたらいいんでしょうか?」
確かに大事なことを忘れていた。
食事はこうして届けられるとして、睡眠は机でもできる。
でもトイレ、そう排泄は教室では無理だ。
衛生的にも問題があるし、何よりこのクラスには男女がいる。
僕らにしても、女子にしてもまさか異性の前で床に排泄をすることなどできるわけがない。
「よい質問です。
トイレは後ろの扉に設置しました。籠城などができないように鍵がないので、入るときには声をかけるなりしてプライバシーを確保できる工夫をしてください」
皆が後ろの扉を振り返り、扉の一番近くの春馬に視線が集まった。
春馬は頷いて、立ち上がった。
そして、後ろの扉に手をかける。
「…………確かにトイレだ」
後で僕も確認したけど、教室の後ろの扉にはトイレがあった。
それはカートの空間の壁のように、不自然に、でもしっかりとトイレを形どっている。
「それでは質問はないですね?
では、また明日の実験でお会いしましょう」
ブツッと音がしてスキャナーが停止した。
その頃には何人かが食べ終わり片付けを始めていた。



