「ではくれぐれも貴重な食事を残すなんてことのないようにしてくださいね。
食べ終えた人からカートにプレートを戻して、全員分が戻ったら扉を開けて元の位置にカートを運んでください」
回収するのだろうけれど、壁で囲まれた空間でどうやって?
実は壁が扉の様になっていてロックされている?
いや、そんな形跡は全くなかった。
ワープなんてそんな小説みたいなことはないよな?
くそ、考えても分からない。
「それではご挨拶をしましょう。
いただきます」
「…………いただきます!」
アイツの号令でなんか挨拶をしたくなかったけど、言わなければならないことは分かっていた。
どうしてアイツはここまで学校の様な真似事にこだわるのだろうか。
スプーンでクリームシチューをすくって恐る恐る口にした。
「…………あ、美味しい」
異様な雰囲気と精神的な疲れで気付かなかったけどお腹は確かに空いていた。
空腹だったからだろう、口に含んだシチューはほわりと口の中に広がって僕は無意識にそう呟いてしまっていたんだ。



