ケンショウ学級


僕と田口くんは目を見合わせて、佐野くんの元へと近づいていく。

すると扉の外には先程の物音の正体であろう、カートが教室の線に垂直に止められていた。

それをピッタリと囲う壁。

「廊下じゃ…………ない?」

朝にはあったはずの廊下がない。

もう、分からないことだらけだよ。

「三人以外の起きている人は、まだ眠っている人を起こしてあげてね。

検証にも体力を使うからね、たくさん食べてたくさん眠ってね」

アイツに従う様で気乗りはしないけれど、二人も死人が出ていることもあるのだろう、起きていた何人かが眠っている人を起こしていく。

僕はそのカートを教室へと入れた。

すかさず佐野くんが、カートが置いてあった空間を調べる。

「ただの壁だ…………」

すぐさま田口くんも確認するのだけれど、そこには硬いコンクリートの壁がカートの入る大きさの空間を囲うようにそびえ立っているだけだった。

「佐野くんは行動力があって良いですね」

アイツに誉められているのだろうか、本当にこの男の真意が見えない。

でも、ただ検証がしたいだけではない。そんな予感はしていた。

「さぁ、皆さん起きましたね。

今から夕食の時間です。あなた方は大切な検証の彼検体です。体調管理もしっかりとしていただかなければ困ります。

なので、お残しはしてはいけませんよ?」

カートには33人分。

小野さんが死んでしまって一人減ったクラス分の食事が乗っていた。

小野さんが死ぬことが分かっていたのか、小野さんが死んでしまってから用意したのかは分からないけど悪質だ。

「では、佐野くん達は配膳を」

逆らえばどうなるか分からない。

最悪の場合には殺されるかもしれない。

僕らはアイツの指示に従うしかなかった。

パンにクリームシチュー、コールスロー。健康を維持する最低限の食事がプレートで用意されている。

「…………配るね」

僕はプレートを持って前の席から順に配り始めた。

少し遅れて田口くんも配膳を始める。

「なんで俺が配らなきゃいけねぇんだよ!!」と扉を蹴飛ばして佐野くんもしぶしぶと配膳をした。

そして全員分を配り僕らも席についた。