その時、教室の外、確かに僕らの教室の前で大きな物音がした。
何かカートの様な物が勢いがつきすぎて扉に衝突したかのような物音。
「…………ん、なに?」
「…………ちょ、なんの音?」
突然の物音に何人かが目覚めた。
佐野くんは物音の方へとゆっくり近づいていく。
「たっちん!危ないよ」
田口くんが制止するけど佐野くんは止まらない。
ついには物音がした前の扉の近くまで歩いていった。
「そこに誰かいるんなら面見せろやこらぁああっ!!」
そう怒鳴りながら佐野くんが扉に手をかけた瞬間だった。
「おはよう二年三組の皆」
急にスキャナーが作動してアイツがまた画面越しに姿を現す。
佐野くんは手を止めて画面を睨み付けた。
「おや?まだ眠っている人もいるんだね。
未成年には少し薬が多かったかな。次回からは少し減らしてみよう」
そんなことを呟きながらマーカーで資料に書き込んでいる。
この男はなんでこんなにも嬉しそうなのだろう。
この時点でもう二人の命を奪っていると言うのに。
平然と飄々と実験を楽しんでいる。
「今、君たちに夕食を用意した。
ちょうど良いね、佐野くんと田口くん、それに上杉くん皆に配ってあげてくれ」
アイツがそう言うと佐野くんの前の扉が自動的に空いた。
佐野くんは反射的に後ろに飛び退いた。
「なんだこれ?」
佐野くんが驚いた顔でそう呟いた。



