「…………っ。ああ気持ち悪ぃ」

「佐野くん!大丈夫?」

佐野くんが僕の次に目を覚ました。

誰も起きないこの状況で、佐野くんが目を覚ましたことが素直に嬉しかった。

「大丈夫なわけねぇだろうが根暗!

あ?皆寝てんのかよ?」

そういって佐野くんら席を立ち、田口くんを揺さぶる。

「おい田口!起きろおい!!」

ぐらぐらと揺さぶられ田口くんの身体が無抵抗に揺れた。

ほどなくして田口くんが目覚める。

「…………たっちん?ここは?」

「教室だ。なんでかは分かんねぇけどまたここに戻されたみてぇだな」

田口くんは周りを見回していた。

異常な環境で現状の把握をしようとするのは本能だ。

「おい田口、さっさと出るぞ」

「え?え?」

「さっきまでの密室じゃねぇ。教室のドアから出れば抜けられる」

佐野くんはそう言って教室のドアを指差した。

そこで僕は疑問が浮かんだ。