「え、先生どこ行ったの?」

野比先生をつなげていた鎖が支柱から真っ直ぐに下に伸びていた。

それがぶらぶらと振り子の様に揺れている。

鎖は揺れながら下に下に伸びている。

ピンと張って、それでもまだ。

おかしなことに床に転がるわけでもなくもっと下に伸びていた。

それが床が抜け落ちて穴になっていることに気づいた時、僕らは息を飲む。

「皆のお望み通りにしてあげたよ。

ほら、喜んでよ。「死ね死ねコール」までしてたじゃない?笑えよ!喜べよ!死体を罵れよ!!」

抜け落ちた床の下で、野比先生は首輪で繋がれたままぶら下がっていた。

おそらく落下の衝撃で頚椎や気道諸々が砕け、死に至ったのだろう。

腐った豚肉のようなそれがゆらゆらといつまでも不気味に揺れた。