繋がれた男がいる檻には色々な設備があった。
まずは男を繋ぐ鎖とそれをくくりつける為の支柱。
その支柱から鎖がわずかな弛みをもって張られるほどの距離には四つ這いになっている男の顔を上げた高さほどのテーブル。
テーブルに当たるように仕切り板がされ、板には何かを通すための穴が不器用に開けられている。
仕切りによって檻の中は2部屋になっているようなものか…………
誰かがあの部屋で何にかする?ってことかな。
「もう、なんなのよ」
「こんなの可笑しいよ。人を犬に見立てるなんて」
檻の奥には五台のモニターがあり、4つには僕らの脳波を測定しているのだろう34人の名前と脳波がリアルタイムで写し出されている。
専門家じゃないとわからないことだけど、きっと今の僕らの脳波はガタガタになっているのだろう。
不安、焦燥、恐怖、憎悪。様々な負の感情によって。
「ねぇ、あの人の顔…………」
「え、うげぇ」
僕らから見て右手を向いていた男。
さっきまでは男の右半分しか見えなかったのだが、男が少し向きを変えたことで左反面も露になった。
男の左頬からは透明な管が伸びていた。
「あれが唾液を計測するために取り付けられたって言う管なの?」
「酷すぎるこんな…………」



