「おい、あそこになんかある」
春馬がそう言って指差したのは檻の手前にあった机に置かれたプリントだった。
よくあんなものに近づけるな。
「うぅぅぅぅぅぅう!
うあああああぁっ!」
何かに怯えるように首輪で繋がれた男が唸り声をあげている。
もう、普通じゃない。
普通じゃないよこんな、まるで人間をモルモットみたいに。
「これは…………おい、皆の分もある配ってくれ」
春馬はそう言うと、まるで授業中の様にプリントを二手に分けて配り始める。
一枚とっては隣の人へと渡すしていく。
異様な空間で普段通りのその光景はなんとも形容がし難い不気味なものだった。
僕は最後になったプリントを堀井から受け取った。
「これが実験の概要なの?」
配られた人から目を通していく。
プリントには『パブロフの犬』の実験の狙いと、実験の課程が僕ら中学生でも分かりやすいように簡潔に書かれていた。
「ぐるるあああああ!
があああああああ」



