ケンショウ学級


皆、この特殊な状況の中でも役割はあるとしても平穏に過ごすことが出来ていた。

識別ナンバーでの点呼確認は不快だけど、もう何度も繰り返すうちに慣れてきていた。囚人役も足枷だったり、トイレを背後から監視されたり異質ではあるけれども、住めば都と言うのか2日目には早くも順応しつつあった。

囚人と看守、お互いがお互いの役割をある程度理解してきたことで、その行動にも変化は現れていた。与えられた役割ではあったけれども、それぞれが無意識の内に役になり切ろうとしていたのだろう。

……油断はできない。すでに何人かはコワレ始めている。

このまま何事もなく2週間が経ちますように、皆が揃ってこのケンショウ学級から離脱できますように。僕はそんなことを思いながら2日目の眠りについた。


--変化は突如として訪れる。

この実験が史上最悪の心理実験だったことを僕が本当の意味で思い出し、理解することになるのは3日目の朝のあの出来事からだったんだ。