僕は囚人役としてその部屋に入っていった。
そこには看守役の衣装を身にまとったクラスメイト達が待っていた。
僕の格好を見てか、佐野くんがにやっと笑っていた。
「さて根暗ぁ、じゃなかった06番、そこの白線に並べ」
「分かったよ」
その空間は広々としているのに、圧迫感のような居心地の悪さがあった。鉄製の金網の向こうに二段ベッドが1つと、鏡すら着いていない洗面台がついているだけ。
そんな部屋というか、鳥かごというか、とても気持ちのいいものではない檻が5つ並んでいた。その檻の入口には「06 10」、「04 09」、「01 02」、「05 87」そして「03 08」と書かれていた。
……まだ僕しか居ないけれど、あの数字が要は囚人達に割り振られた部屋、ということなのだろう。2人で1つの部屋か、もし女子も混ざってるなら女子の部屋もあるだろうけれど、これじゃあトイレとか見えてしまうのでは?
「キョロキョロすんな06番」
佐野くんがそう言うと、周りは笑っていた。もうすでに初めから看守役っぽい佐野くんの態度が、面白いのか他のみんなは笑っていた。
僕もいつもの事だと思って、特に文句を言うでもなく、態度に出すでもなく、この空間の詮索は止めて前を向いた。
そして、僕と同じように身ぐるみを剥がされ、消毒液を吹きかけられ、名前を奪われ識別ナンバーをもらった人達が入ってきたんだ。
最初に亮二が入ってきて、金子くん、笹森くん、アキラ、一徹くん、田口くん、委員長、中澤さんこれで九人か。
今いる看守と囚人メンバー、残るは原田さんか。
そして原田さんが囚人服に身を包み、監獄へと入ってきた。



