ケンショウ学級


私達は電話番号と聞くと市外局番を連想する。

先程の電話番号の例で言うと「090」がそれに当たるが、この市外局番を覚える時にいちいち「0,9,0」と3つの数字として覚えるだろうか?

そう、「090」という1つの塊として覚えるだろう。

これは3つの数字から成り立つ1チャンクの群になる。

なので電話番号を覚えようとしたら10の数字を覚えるのではなく「(090)4,2,#,5,7,6,4,1」となり覚えるのは9チャンクにまで減少する。

このように人の記憶というのは効率よく自分の知っている意味のある物を利用しているのだ。

「くそっ、わかんないよ。くそっ」

つまり意味のある単語であれば、ただそれを記憶するだけなのに、意味のない単語、もしくは知らない単語が出てくるとその単語を形成する文字を全て記憶しなくてはならなくなる。

「頼む、当たってくれ……」

小池っちは④のボタンを押した。

提示される単語に意味がなくなれば、もはや人間の記憶のシステムとして正解することができなくなる。

つまり、この実験はどれだけ強い罰を与えて、それから逃れることは為に必死で記憶しようもしても不可能なのだ。

「不正解者には罰を与えてください」

非常なアナウンスが04番のブースに流れる。

「うそだ。いやだ!あきら!あきら助けてよ!!」

不正解した小池っち。

これで小池っちは11回目の不正解となる。

与えられる電気ショックは165ボルト。


その前の150ボルトでも小池っちは激痛から悲鳴をあげていた。

「あきら、頼むよ!あきら!!」

壁越しに親友の悲痛な訴えだけが聞こえてくる。

しかし、アキラくんは何の淀みもなく電気ショックの電圧を165ボルトに設定した。

「ぎゃあぎゃあ、言うなよ不正解したのはお前だろ?それに…………」

アキラくんは生気のこもらない瞳で白仮面を見た。

そして、電気ショックのボタンを押す。

「…………オレは命令されてるからやってるだけだ」