ケンショウ学級


ブース07。

「不正解者には罰を与えてください」

12回目の電気ショック。

電圧はもう180ボルトとなっていた。

本来であれば激痛によって叫び声が聞こえても良い電圧。

だけど、これまでに眞木さんの声が聞こえてきたことはなかった。

「紗由理、耐えてくれ。お願いだ」

寺井くんは必死に祈りながら、悔いながらボタンを押す。

「……………………んっ」

寺井くんは気付いてあげることが最期の瞬間までできなかった。

途中から眞木さんが激痛に耐えながら、声を殺して耐えていたことに。

「…………不正解者には罰を与えてください」

何度聞いたのかもわからなくなる。

単調に単調に放送を聞いてはボタンを押すという作業だけが続いていた。

「一真を私が守るんだ…………守るんだ」

痛みを紛らわす為に噛みしめる細く白い手首からは、真っ赤な血が流れていた。

それは電気ショックの装置へと確かに伝っていた。

血液と涙や汗では構成する成分が異なる。

そのことが原因だったのか定かではないが、この時点での血液による湿気は致死に至る電流を流すことはなかった。

「紗由理、紗由理、紗由理…………」

「苦しまなくて良いよ一真。大丈夫だよ」

連続した電気ショックを受けたことで、意識を取り戻した眞木さんだったけど、本人にとっては幸いとは言い難いものだったに違いない。

恋人に何度も何度も電気ショックを浴びせられ、最後には苦しんで苦しんで死んでしまった。

悲しすぎるよ。

「あぁ、一真との時間は楽しかったなぁ…………」

195ボルト。

「…………このまま、一真に殺されるなら私は悔いはないよ。そのくらいアナタが好きだから」

210ボルト。

「紗由理ごめん、ごめん。でも助けるから、オレがお前を解放してやるから」

「一真ごめんね。苦しいことさせて、でも私が守るから。守るから」

225ボルト。

電気ショックの装置は眞木さんの血液でびっしょりと濡れ、装置のパット部分では吸収しきれなくなった血液が徐々に滴り落ちはじめていた。

「…………はぁ、はぁ。苦しいな、なんでだろ?

一真?一真?」

240ボルト。

「あ…………一真。

一真どこ?会いたいよ一真」

255ボルト。

「……………………ずま

……か………………………………ま」

270ボルト。