生徒役が罰に耐えきれず先生役に助けをこう。
それを受けた先生役が白仮面に実験の中止を申し出る。
「あなたに続けて頂かなければ困るのです」
「実験を続けてください」
「あなたに実験を続けて頂くことが絶対に必要なのです」
「迷うことはない。あなたは実験を続けるべきなのです」
という4回の定められた断り文句とも言える使令を拒否することで実験は中止されるようになっていた。
勿論そのことは被験者には伝えられていなかったけれど、この権威者に対する拒否を行うことができるのかどうかを計るための実験だったからだ。
「…………だから、僕らだけ二人とも助かったのか」
「良かった。うぅ、ありがとう一徹くん」
今回の実験でこのペアだけが早い段階で実験中止を申し出て助かっていた。
かの早い段階というのも二人が助かった要因の大きな1つの様にも思う。
実験中止を申し出てたのは60ボルトの電圧を流す時だった。
「もう、いや!やめてよ!!」
「いや、でも…………」
見根津さんは電気ショックの罰に怯えきっていたし、電気ショックを流す櫻田くんも罪悪感にさいなまれていた。
「お願い、こんな死に方したくないよ…………」
「いや、でも…………」
櫻田くんは電気ショック機に記された反応を見る。
まだ命に別状のある程度ではない。
だけどそれが本当かどうか?そして、本当だったとして電気ショックをこれから数十と泣き叫ぶ女の子に強いることができるのか?
「お願いします…………実験を中止させてください」
櫻田くんは白仮面にそう申し出た。
白仮面は真っ直ぐに座ったまま、首だけを櫻田くんに向けて言う。
「あなたに続けてもらわなければ困るのです」
冷たい声。
櫻田くんは一度下を向いて、もう一度白仮面に顔を向けた。
「それでも、無理です僕には無理です…………」



