風向きが変わり始めたのは第四問からだった。
第四問。
クナイーコロンビア
マキビシーニュージーランド
エンマクースコットランド
それまである程度の関連性が見られた組み合わせから、関連性がなくなった。
それによって記憶の難易度が急激に上がったし、いきなりの難易度の上昇に気の緩んでいた数人がアイツの毒牙にかかる。
マキビシとの組み合わせとして正しい物は?
①ニュージーランド
②スコットランド
③アイルランド
④グリーンランド
ブース05。
「え?ちょっと待ってよ?なんで急にこんな難しくなるのよ!?」
金子さんの言い分も最もだけれど、今は文句を言っても何の役にも立たない。
四つの選択肢から正解の1つを導きだす他に電気ショックから逃れることはできないのだから。
「アイルランドとグリーンランドは出てきてないから、答えは①か②の二択。
どっち…………?」
金子さんは悩みに悩んだ末、②を選択した。
第四問、6名正解(回答なしによる不正解扱い一人)により電気ショックを受けた生徒4人。
この第四問を境にして、出題される課題の難易度が急激に引き上げられていくことになった。
連合学習において、1つ目の単語と2つ目の単語に意味がある場合は記憶しやすく、また関連性が高いほどに記憶は定着しやすい。
逆に、意味のない単語ほど記憶しづらく、提示された単語の組み合わせの関連性が薄くなるほどに記憶の定着は難しくなる。
ーーこれは、罰による強化子によって正当率が有意に上がるものではない。
ーーひどく理不尽な実験だ。
ブース08。
「見根津いくぞ?」
櫻田くんは見根津さんの心の準備の為に声をかけていた。
見根津さんは嫌がる。
「やてめ一徹くん。嫌」
「大丈夫、まだ全然痛くないから」
「いや…………」
そして櫻田くんが15ボルトのボタンを押した。
「きゃっ!」
「な!大丈夫だったろ?」
「う、うん。そうだね…………」



