ケンショウ学級


「今から二つの単語の組み合わせを三つ提示します。皆さんそれを記憶してください」

二つの単語の組み合わせ?

とにかく、覚えれば良いのだろう。

「では。

風ーゼッカ

雨ーメッア

雲ーモック」

風、ゼッカ。雨、メッア。雲、モック。風、ゼッカ。雨、メッア。雲…………

僕はひたすら頭の中で繰り返した。

横では春馬がなにかを考えている様だった。

考えながら記憶できるのか?

そして30秒が経過した。

「それでは雲の組み合わせとして正しい物は次の内どれでしょうか?

①ノック

②モック

③メック

④トック」

ん?雲、雲、雲…………

雨、メッア。雲…………

分かった、答えは。

「答えは②番のモックです。ちゃんと覚えていましたか?

今回は二つの単語にある関連性があり、気づいた人には容易過ぎたかもしれませんね」

「関連性?なんのことだろう?」

田口くんの素直な感想に、友澤くんが丁寧に答える。

「それぞれの単語の組み合わせで、最初の単語を反対にして真ん中に「っ」を入れたものが二つ目の単語になっていたよ」

雨の反対はメア。それの真ん中に「っ」を入れるから雨の組み合わせはメッア!

雲も同じくモクがモック。風もゼカがゼッカか。

よくそんなことをあの一瞬で思い付くものだな。

「おお!」

「本当だ!すげぇな委員長」

皆が委員長を称える中、いつもなら一緒に称賛していそうな春馬は特別な反応をしていない。

あれ?そういえば春馬も課題を提示された時に何か考えていたな。

もしかして、春馬は気付いていたのかもしれない。

今は、僕にアイツの仲間の疑いがかけられていて、そんな小さな話題すら春馬と話すことができない。

それが、何よりも悲しい。