ブース07。
モニター越しでは人が小さすぎて誰が誰だか分からないのだけれど、ブース07にいる生徒役の人物は誰もが分かった。
その人はピクリとも動かずに、机に伏しているからだ。
長い髪が顔を覆ってもはらおうともしない。
何故か?
彼女は意識がほとんどないからだ。
「おい、まさかブース07の先生役って」
佐野くんの声は怒りで震えていた。
その声で確信する。
「紗由理?紗由理!?
なんでだよ、なんでオレがお前と実験なんかしなくちゃいけねぇんだよぉおおっ!!
」
先生役の人が咆哮する。
そう、ブース07の先生役は寺井くんだったのだ。
本当にどこまでも、どこまでもアイツは腐っている。
「それではこれから実験の概要を説明します。
…………ブース07、少し騒がしいですよ?説明はきちんと聞きましょう」
恋人が壊され、その身を守ろうとしている寺井くんにわざと眞木さんを当てる。
激昂するのも当たり前なのに、それをアイツは面白がっている。
「それでは、これより実験の説明に入りますので、マジックミラーを起動。
生徒役と先生役の二人はお互いの声のみを認識できる様にします」



