ケンショウ学級


フローラちゃんの背景が今度は実験室になった。

一つの部屋に、人が三人。

一人は椅子に座って手を拘束されているのだろうか?何かの装置が取り付けられている。

もう一人は仕切りの向かいに座り、手前には何かの機器が置かれている。

そして、最後の一人は偉そうにふんぞり返っていた。

「これから被験者には偽りの実験をしてもらうことになるの」

「偽りの実験?」

そういえばアイツもこれから僕らには本当の実験の概要を説明すると言っていた。

偽りの実験。本当の概要。

いったい、どういうことなんだろうか?

「こらから先生役には生徒役に記憶力に関する実験を行ってもらいます」

記憶力に関する実験?

さっきは服従心に関するものだと言っていたのに。

「『連合学習課題』と呼ばれるもので、ある単語二つが次々に提示されて、それに対する問いに答える。という簡単なものです。

もし間違えた場合には罰として電気ショックが与えられます。これは始めは人体に影響のない弱い刺激ですが、不正解が続くとどんどん電圧が高くなり最終的には450ボルト、人命にも影響が出るとても強い刺激となります」

電気ショック。

もう聞くだけで大上先生や小野さんの姿が思い浮かんでしまう。

「実験の前に先生役には45ボルトの電気ショックを体験してもらいます。これは痛みがありますが、人体への影響はありません。

そして、先生役には特別な報酬が用意してあります」

「だけど、皆には内緒だよーん!!」

先生役への特別な報酬?いったい。

でも、なにかしら誰かが不利になるものに決まっている。

「この実験で最も大切なルールを見学者の君たちにだけお話しします。ですが、私の出番はここまで、ごきげんよう」

「ばいばい、フローラちゃん!それじゃあ、ボタンをぽちっとなー」

マスコットがいつの間にか手にしていた450ボルトと書かれたボタンを押した。

「え、うそでしょ?」

マスコットは満面の笑みだった。

次の瞬間、フローラちゃんの可愛らしい声からは想像もできない断末魔が響きわたった。


「きぃやああああああああああああああああああああああああああ…………



ああ…………あ……………………」

フローラちゃんの顔が醜く歪み絶叫しながら息絶え、そして画面はアイツの部屋へと切り替わる。