あの時。 初めて救われた気がしたんだ。 長い間、自分は蘭の重石になっていないか、ずっとそんな不安が胸にあったから。 「そう、なのかな……」 「そうでしょ」 静かに微笑む七波。 あの時俺はたぶん。 今まで抱いたことのない気持ちを 知ってしまったんだ。